厳しすぎるルールは逆効果?仕事ができる人が「逃げ道」を用意する理由

営業ノウハウ

おはようございます!

今日もAI時代に生き残る営業マンを目指して勉強していきましょう!

ただ今日の記事は、営業マンはもちろん管理職の人にも聞いてほしい話です。

仕事をしていると、「どうしてこんなルールになっているんだろう」と思うことはありませんか?

会社にルールは必要です。安全を守り、品質を維持し、多くの人が同じ職場で働くためには、一定の決まりが欠かせません。

ただし、ルールは厳しくすればするほど効果が上がるとは限りません。

あまりに厳しくすると、人はその行動をやめるのではなく、別の場所や方法を探し始めます。

その結果、ルールを作って安心していた上層部が想像していなかった問題が起きることがあります。

今回は、ある工場で実際に起きた喫煙所の話から、ルールの作り方と、営業マンとしての立ち回りを考えてみます。

工場内を全面禁煙にした結果

ある大手メーカーの工場での話です。

昨今の健康志向の高まりもあり、その工場では喫煙に対するルールが年々厳しくなっていました。

そして、あるときついに会社の施設内での喫煙が全面的に禁止されました。

会社としては、従業員の健康や受動喫煙への配慮があったのでしょう。

施設内で吸えなくすれば、喫煙者も減ると考えたのかもしれません。

ところが、想定どおりにはなりませんでした。

施設内で吸えなくなっても、煙草を吸いたい従業員が全員すぐに禁煙するわけではありません。

喫煙者たちが向かったのは、工場の近くにあるコンビニの灰皿でした。

休憩時間になると、同じ作業服を着た従業員が次々と集まり、灰皿の前が埋め尽くされる状態になりました。

コンビニから見れば、たまったものではありません。

一般のお客さんが近寄りにくくなるうえ、全員が同じ作業服なので、どこの会社の従業員かも一目で分かります。

当然、コンビニから会社へクレームの電話が入りました。

会社は施設内から喫煙をなくしたかったはずです。しかし、その結果として近隣店舗へ迷惑をかけ、自社の印象まで悪くしてしまいました。

最終的には、会社の施設内に喫煙所を再び設置することになり、事態は落ち着きました。

一度なくした喫煙所を、わざわざ作り直す。何とも皮肉な結果です。

厳しすぎるルールが生んだもの

この話の本質は、禁煙が正しいか、喫煙所を残すべきかという議論だけではありません。

私が重要だと思うのは、ルールで行動を禁止しても、その行動をしたい人の気持ちまで消えるわけではないという点です。

行動を完全にふさがれた人は、素直に諦めるとは限りません。別の場所や、見つからない方法を探します。今回の工場では、その行き先が近所のコンビニでした。

今回、上層部は「前面的に禁煙にすれば喫煙率も下がるだろう」と考えました。

しかし実際は「じゃあどこでなら吸えるか」としか考えてくれなかったのです。

目の前から問題が消えても、別の場所へ移動しただけなら解決ではありません。

管理できない場所へ追い出したことで、以前より大きな問題になる場合もあります。

ルールを作るなら、「禁止した後、人はどう動くのか」まで考える必要があります。

そこで大切になるのが、「この範囲ならOK」という逃げ道です。

ここでいう逃げ道は、好き勝手を許すことではありません。条件を決め、その範囲へ行動を誘導するという意味です。

喫煙所であれば、吸う場所や時間を限定し、管理できる範囲で利用してもらう。

完全に外へ追い出すより、現実的な解決になることがあります。

正論だけを押しつけても、人は動かない

実はこの「逃げ道」という考え方は、仕事にもそのまま適用できます。

例えば、社内に非効率な仕事があったとします。若手営業マンがそれに気づき、上司へこう言いました。

「この仕事は非効率です」

「こんなやり方は時間の無駄です」

「もっと新しい方法に変えるべきです」

言っていることは正しいかもしれません。しかし、正しいことを言えば相手が納得するとは限りません。

上司には、その方法を続けてきた理由があるかもしれません。

過去に失敗した経験や、他部署との事情がある可能性もあります。

また、自分が決めたやり方を真正面から否定されたと感じれば、感情で拒否することもあります。

人は理屈だけで動くわけではありません。

いくら正論でも、相手の立場や過去の判断を全否定してしまえば、「その提案は受け入れたくない」という感情が先に出ます。

そこで正論を重ねて相手を追い込むのは、うまい立ち回りとはいえません。

「窮鼠猫を噛む」という言葉を知っていますか?

ネズミに限らず、追いつめられると人は予期せぬ行動をとってしまう可能性があるのです。

それは自分がダメージを負うことになる、という事です。

仕事ができる人は、妥協点を用意している

本当に仕事ができる人は、自分の意見を100%通すことだけを考えていません。

相手が納得して動ける妥協点や、引き返せる逃げ道を最初から用意しています。

非効率な仕事を変えたいなら、いきなり「全部やめましょう」と迫るのではなく、例えば次のように提案できます。

「今のやり方にも理由があると思います。そのうえで、この部分だけ新しい方法を試してみませんか?」

「まず1か月試して、問題が出たら元に戻しましょう」

「すべてではなく、この作業だけ減らすのはどうでしょうか?」

これなら、上司は今までの判断を全面的に否定されたとは感じにくくなります。元に戻せる選択肢があるため、決断の負担も小さくなります。

営業先との交渉でも同じです。

値下げが難しくても、数量、納期、配送方法、仕様など、別の条件で双方が納得できる場所を探せるかもしれません。

こちらから複数の選択肢を示せば、「受け入れるか、断るか」だけの対立も避けられます。

交渉は、相手を言い負かすことではありません。

こちらの目的を守りながら、相手も納得して動ける着地点を作ることです。

「逃げ道」は相手をだますためではなく、相手の立場や感情を尊重し、話を前へ進めるために用意します。

自分の正しさを証明できても、相手が動かなければ仕事は進みません。

正論をどう伝え、どこへ着地させるかまで考えてこそ、仕事で使える提案になります。

まとめ

厳しすぎるルールは、人の行動をなくすのではなく、見えない場所へ移動させることがあります。

工場の喫煙所をなくした結果、従業員が近所のコンビニへ集まり、会社へクレームが入った話は、その分かりやすい例です。

仕事上の提案や交渉でも、正論だけで相手を追い込んではいけません。

相手が受け入れられる妥協点や、引き返せる選択肢を残し、双方が納得できる着地点を探すことが大切です。

これは相手に甘くすることではありません。目的を達成するための、現実的な立ち回りです。

本当に仕事ができる人は、正しさだけでなく、人がどう動くかまで考えています。

何かを禁止したり、相手に提案したりするときは、一度考えてみてください。

「これを完全にふさいだら、相手は次にどこへ向かうだろう?」

その先まで想像できれば、予期せぬ結果を減らし、相手とぶつからずに目的へ近づけるはずです。

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