おはようございます。
新人営業の頃は、毎日が勉強の連続です。
まだお客さんに顔や名前を覚えてもらえておらず、なかなか商品が売れないことに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
売れない日が続くと、焦る気持ちも出てきます。
しかし、そこで正直に、
「わが社の商品を買ってください!」
と伝えても、お客さんからすれば、ただの押し売りに聞こえてしまいます。
早く結果を出したい気持ちは、よくわかります。私にもそんな時期がありました。
実は、言い方を少し変えるだけで、お客さんとの会話が始まり、商品提案のきっかけをつくれる質問があります。
今回は、新人営業にぜひ使ってほしい質問と、「そもそも仕事とは何なのか」という基本についてお話しします。
そもそも仕事とは何か
まず、仕事とは何でしょうか。
なぜお客さんは、商品やサービスにお金を払ってくれるのでしょうか。
私は、仕事の基本は「他者への貢献」にあると考えています。
相手が抱えている悩みや不便を解決し、その対価としてお金をいただく。これが仕事の基本的な仕組みです。
例えば、飲食店は「おなかがすいた」「おいしいものを食べたい」というお客さんの要望に応えます。
電車は「目的地へ早く、時間どおりに移動したい」という要望に応えます。
どのような商品やサービスも、誰かの困りごとや要望に応えることで価値が生まれています。
営業も同じです。
自社の商品を一方的に紹介することが営業の仕事ではありません。
お客さんが抱えている問題を見つけ、自社の商品やサービスで解決できるかを考えることが、営業の役割です。
「買ってください」を「困りごとはありませんか?」に変える
ここまで読んで、勘のいい人なら答えがわかったかもしれません。
「うちの商品を買ってください」
この言葉に代わって、新人営業に使ってほしい質問があります。
それは、
「何か困りごとはありませんか?」
です。
仕事をしている以上、まったく困りごとがない会社は、ほとんどありません。
多くのお客さんが、何かしらの悩みや不便を抱えています。
しかし、日々の業務に追われているため、
「改善したいけれど、手をつけられていない」
「不便だけれど、今のやり方で我慢している」
ということは珍しくありません。
その困りごとを自社の商品やサービスで解決できるなら、そこに営業のチャンスがあります。
実際にどう聞けばいいのか
「何か困りごとはありませんか?」は、難しい質問ではありません。
ルート営業なら、訪問時のあいさつや雑談のあとに、自然に加えるだけでも十分です。
例えば、次のように聞いてみます。
「最近どうですか?現場で何か困っていることはありませんか?」
これだけでも、会話のきっかけになります。
「商品を買いませんか?」と聞かれると、お客さんは警戒します。
一方、「困っていることはありませんか?」なら、自分たちの状況を話す質問なので、売り込みよりも答えやすくなります。
ただし、質問の範囲が広すぎると、
「特にないですね」
と返されて終わってしまうこともあります。
そんなときは、訪問先に合わせて質問を少し具体的にしてみましょう。
例えば、次のような聞き方です。
- 「最近、納期や在庫のことで困っていませんか?」
- 「今使っている商品で、使いにくいところはありませんか?」
- 「現場で手間がかかっている作業はありませんか?」
- 「以前と比べて、忙しくなった工程はありませんか?」
- 「最近、お客さまから増えている要望はありますか?」
質問を具体的にすると、お客さんも自分の業務を思い出しやすくなります。
営業では、商品を売り込む前に、お客さんとの会話を始めることが大切です。
最初のうちは売ることを意識しすぎず、お客さんの話を一つ聞けたら成功くらいの気持ちでもよいと思います。
言葉のベクトルを「自分」から「お客さん」へ向ける
「買ってください」という言葉には、自分が売りたいという気持ちが表れています。
言葉のベクトルが、自分に向いている状態です。
一方、
「困りごとはありませんか?」
という質問は、お客さんに関心を向けています。
言葉のベクトルが、自分ではなくお客さんへ向いているのです。
営業は、自分が一方的に話す仕事ではありません。
お客さんの話を聞き、必要な情報を引き出すことも大切な仕事です。
お客さんの言葉の中には、
- 何に困っているのか
- 何を改善したいのか
- 何にお金をかける価値を感じるのか
- 誰が決定権を持っているのか
- いつまでに解決したいのか
といった、提案に必要な情報が隠れています。
新人の頃は、お客さんが何を考え、何を求めているのかわからないのが普通です。
だからこそ、最初から答えを当てようとする必要はありません。
わからなければ、素直に質問すればよいのです。
以前の記事にも書きましたね。
営業は「話す力」より「聞く力」

相手の立場に立った行動が信頼を生んでいきます。
私も売れない新人時代を経験した
私も新人時代には、商品がなかなか売れずに悩んだ経験があります。
売れない焦りから、商品のよさばかりを一生懸命説明していました。
「こんなにいい商品なんですよ!」
「使ってもらえれば、よさがわかります!」
「どうして買ってくれないんですか!」
口には出していなくても、そんな圧がお客さんに伝わっていたと思います。
当時の私は、お客さんが何を必要としているかよりも、自分が売ることばかりを考えていました。
しかし、無理に商品を売ろうとするのをやめ、お客さんの話を聞くようになってから、少しずつ商品の引き合いが増えていきました。
売ろうとするのをやめて、お客さんを知ろうとした。
その姿勢の変化が、結果として売上につながったのです。
困りごとを聞いたあとが本番
お客さんから困りごとを教えてもらったら、そこからが本番です。
すぐに、
「それなら、うちの商品で解決できます!」
と畳みかけてはいけません。
まずは、お客さんの話を最後まで聞きましょう。
「それは大変ですね」
「いつ頃から困っているのですか?」
「特にどの部分に手間がかかっていますか?」
このように、共感しながら状況を詳しく確認します。
話を最後まで聞かずに提案すると、見当違いの商品を勧めてしまう可能性があります。
困りごとの背景や条件を理解したうえで、初めて適切な提案ができるのです。
その場で答えがわからなければ、無理に答える必要はありません。
「一度持ち帰って調べます」
「社内の担当者にも確認して、改めてご連絡します」
と伝えれば大丈夫です。
新人のうちは、すぐに答えられないことがあって当然です。
知ったかぶりをする人よりも、わからないことを調べ、約束どおり回答してくれる人のほうが信頼されます。
「すぐに答えられる営業」ではなく、「わからなくても、きちんと動いてくれる営業」を目指しましょう。
その積み重ねが、長い目で見れば売上への一番の近道になります。
まとめ
今回お伝えした内容をまとめます。
- 仕事の基本は、お客さんの悩みや不便を解決すること
- 「買ってください」は、自分に向いた言葉
- 「困りごとはありませんか?」は、お客さんに向いた言葉
- 質問が広すぎる場合は、納期、在庫、作業などに分けて具体的に聞く
- 困りごとを聞いたら、すぐに売り込まず、まず共感して詳しく確認する
- 答えがわからなければ、持ち帰って調べればよい
商品知識や話し方を学ぶことも、もちろん大切です。
しかし、その土台になるのは、お客さんに興味を持つことです。
明日の訪問では、商品を売ろうとする前に、一度だけ聞いてみてください。
「最近、何か困っていることはありませんか?」
その一言が、お客さんとの関係をつくり、次の商談へ進むきっかけになるかもしれません。



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