おはようございます。
雨の日でも、今日も仕事を頑張っていきましょう。
営業をしていると、一見すると無駄に見える時間があります。
移動時間。
待ち時間。
お客様からの返事を待つ時間。
すぐに売上につながらない訪問。
会社の数字だけで見れば、効率が悪いように感じることもあります。
ただ、営業の仕事は効率だけでは測れません。
見方を少し変えるだけで、その無駄に見える時間が、大きな武器になることがあります。
私が若手営業マンに伝えた、今でも大切にしている考え方があります。
それは、
「ピンチはチャンス」
という視点です。
よく聞く言葉ではありますが、営業の現場では本当に大事な考え方だと思っています。
若手営業マンがこぼした愚痴
私が研修という名目で、他県の店舗に1ヶ月ほど在籍していた時の話です。
その店舗に、20代前半くらいの若手営業マンがいました。
人懐っこい性格で、素直なところもあり、私も弟のような気持ちで一緒に営業回りをしていました。
ある時、その若手がぽろっと愚痴をこぼしました。
「遠方のお客さんのところに行くのが大変なんですよね」
話を聞くと、同じ県内ではあるものの、かなり遠方のお客様でした。
車で片道2時間以上。
往復だと4時間から5時間近くかかります。
1日の業務時間は限られています。
その半分以上を移動時間に使うことになります。
若手が、
「時間の無駄ですよね」
と言いたくなる気持ちは、とてもよく分かります。
もし電車移動なら、移動中にパソコン作業ができるかもしれません。
メールを返したり、資料を作ったり、見積もりを確認したりできます。
でも、営業マンの基本は車移動です。
運転中はパソコン作業なんてできません。
電話も安全に配慮しなければいけません。
ただひたすら目的地まで運転する時間になります。
若手からすれば、どうしても「もったいない時間」に見えたのだと思います。
会社目線では無駄に見える
会社目線で考えると、移動時間が長い訪問は効率が悪く見えます。
片道2時間かけて訪問して、商談は30分。
往復で4時間以上。
それで注文がすぐに出るとは限らない。
数字だけ見れば、
「近場のお客様をもっと回った方がいいのでは」
と思う人もいるかもしれません。
もちろん、効率を考えることは大切です。
営業は時間の使い方も成果に直結します。
ただ、効率だけで判断すると見落としてしまうものがあります。
それが、お客様から見た時の印象です。
お客様から見ると「わざわざ来てくれた」になる
私はその若手に、こう伝えました。
「この移動時間は、決して無駄じゃないよ。お客様から見た時に、何時間もかけて会いに来てくれた、と思ってもらえれば、それは価値になるんだよ」
会社側から見れば、片道2時間はコストです。
でも、お客様側から見れば、片道2時間かけて来てくれたという事実になります。
ここに大きな違いがあります。
お客様は、営業マンの社内事情までは知りません。
でも、自分のために遠くから来てくれたことは分かります。
「わざわざ来てくれたんだな」
「うちのことを大事にしてくれているんだな」
「電話だけで済ませず、顔を出してくれたんだな」
そう感じてもらえれば、それだけで関係性は少し変わります。
営業で大事なのは、商品説明だけではありません。
お客様に「大事にされている」と感じてもらうことも、とても大切です。
言い方ひとつで印象は変わる
遠方のお客様を訪問した時に、
「いやー、ここまで遠かったです」
と言ってしまうと、少しもったいないです。
もちろん冗談っぽく言うならいい場面もあります。
ただ、言い方によっては、お客様に気を遣わせてしまいます。
「遠いところ来てもらって悪かったな」
と思わせてしまうかもしれません。
せっかく時間をかけて訪問したなら、私はこう伝えた方がいいと思っています。
「今日は来られてよかったです」
「直接お話しできてよかったです」
「お会いできるのを楽しみにしていました」
この一言があるだけで、同じ移動時間でも印象は変わります。
ポイントは、相手に引け目を感じさせないことです。
「遠いけど、仕事だから仕方なく来ました」
ではなく、
「私が来たくて来ました」
という気持ちを伝える。
これだけで、遠方訪問はただの移動ではなく、信頼を作る時間になります。
ピンチは視点を変えるとチャンスになる
若手営業マンにこの話をした時、その子は漫画みたいに目をキラキラさせていました。
こちらの言いたいことが伝わったようで、少し嬉しかったです。
やっぱり素直な気持ちは大事ですね。
営業をしていると、不利に見える条件はいくらでもあります。
遠い。
時間がかかる。
競合が強い。
価格で負けている。
まだ関係が浅い。
すぐに注文が出ない。
でも、その全部が本当にマイナスかというと、そうではありません。
遠いなら、わざわざ来た価値を伝えられる。
時間がかかるなら、それだけお客様に向き合っている姿勢を見せられる。
競合が強いなら、自分たちの違いを考えるきっかけになる。
価格で負けているなら、価格以外の価値を磨く必要がある。
ピンチというのは、見方を変えれば営業の工夫が生まれる場面でもあります。
営業は「どう見えるか」まで考える仕事
営業マンは、自分が何をしたかだけではなく、相手にどう見えているかも考える必要があります。
同じ行動でも、伝え方や見せ方で価値は変わります。
片道2時間の移動を、
「時間を取られて大変だった」
で終わらせるのか。
それとも、
「お客様に会うために時間を使った」
と考えるのか。
この差は大きいです。
もちろん、すべての遠方訪問が正解というわけではありません。
本当に効率が悪いだけの訪問もあります。
電話やオンラインで済ませた方がいい場面もあります。
ただ、ここぞというお客様には、やはり直接会いに行く価値があります。
特に製造業や商社の営業では、現場を見ること、顔を合わせること、雑談の中で困りごとを拾うことが大事です。
それは画面越しでは分からないことも多いです。
まとめ
自分の経験や考え方が、若い営業マンの役に立つ。
これは本当に嬉しいことです。
彼がその後、営業マンとしてどこまで成長したのか、最後まで見ることはできませんでした。
それでも、あの時の話が少しでも心に残っていてくれたら嬉しいです。
「ピンチはチャンス」
よく聞く言葉ですが、結局は視点を変えることだと思います。
無駄に見える移動時間も、お客様から見れば「わざわざ来てくれた時間」になります。
大変な訪問も、伝え方ひとつで信頼づくりのチャンスになります。
営業の仕事は、ただ効率よく回ればいいというものではありません。
相手の立場で考える。
自分の行動がどう映るかを想像する。
不利に見える状況を、少しでもプラスに変える。
そういう積み重ねが、営業マンとしての信頼につながっていくのだと思います。
チャンスは、意外と足元に落ちています。
それに気づけるかどうか。
そこが営業の面白いところですね。



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