おはようございます!
今日は、最近あったお客様とのちょっとしたやり取りから感じたことを書いてみます。
営業をしている人なら、一度はこんな経験がないでしょうか。
あるお客様からは「もっと積極的に連絡してほしい」と言われ、別のお客様からは「何度も連絡されると困る」と言われる。
すぐに返事をすれば「そんなに急がなくていい」と言われ、少し時間を置けば「対応が遅い」と注意される。
お客様によって正解が違うため、全員に同じ対応をしても、全員に喜んでもらえるとは限りません。
今回は、電話のコール回数だけで「営業としてどうなのか」と言われ、モヤッとしたときの話です。
営業社員が感じるストレスと、その気持ちを少し軽くする考え方が伝わればうれしいです。
電話を7〜8回鳴らして切っただけなのに
ある日、取引先の取締役工場長へ電話をかけました。
普段から忙しい方です。
電話をかけても、すぐには出られないことがよくあります。
その日もコールが7〜8回鳴りましたが、応答はありませんでした。
「今は手が離せないのだろう」
そう思い、いったん電話を切りました。
すると、すぐに折り返しの電話がかかってきました。
そして開口一番、こう言われたのです。
「電話を切るの、早いね。営業だったら、もっと長くコールしないと」
「切るのが早い」と言われるくらいなら、まだ分かります。
しかし、電話を何回鳴らしたかという話から、「営業としての姿勢」にまで話が広がるとは思っていませんでした。
正直なところ、心の中ではこう感じました。
「コールの長さだけで、営業としての資質まで判断されるのか……」
以前、別のお客様からは、反対に「電話を長く鳴らしすぎると困る」と言われたこともあります。
今は携帯電話に着信履歴も残ります。忙しい人に対しては、あまり長く鳴らさず、いったん切って折り返しを待つほうが配慮になる場合もあります。
そこで私は、次のように伝えました。
「着信履歴も残りますし、お忙しいときに長く鳴らすのはご迷惑かと思い、普段はこのくらいで切るようにしています。長めのほうがよければ、次回からそうしますね」
工場長からは、「ああ、そうなんやね」という返事がありました。
それでも、その後も「それでは営業として駄目だ」というニュアンスの言葉が続き、私の中にはモヤモヤが残りました。
7回と10回、どちらが正しいのか
電話は何回鳴らすのが正解なのでしょうか。
5回でしょうか。
10回でしょうか。
それとも、相手が出るまで鳴らし続けるべきでしょうか。
おそらく、すべてのお客様に通用する絶対的な正解はありません。
工場長にとっては、「すぐに切らず、長くコールすること」が営業の熱意や誠意なのでしょう。
一方で、別のお客様にとっては、「忙しいときに長く鳴らさないこと」が気遣いになります。
どちらも、その人の経験や仕事の仕方から生まれた価値観です。
ここで私が思い出したのが、「正義は人の数だけある」という言葉でした。
少し大げさに聞こえるかもしれません。
しかし営業をしていると、人によって正解が違う場面に何度も出会います。
- 電話を好む人と、メールを好む人
- こまめな報告を求める人と、結論だけを求める人
- すぐに訪問してほしい人と、必要なときだけ来てほしい人
- 詳しい説明を求める人と、短く要点だけを聞きたい人
自分にとっての配慮が、相手にとっても配慮になるとは限りません。
営業の難しさは、商品知識だけでなく、こうした相手ごとの違いに対応しなければならないところにあります。
「好み」と「人格評価」を分けて考える
今回の出来事で大切だと感じたのは、お客様の言葉をすべて同じ重さで受け止めないことです。
工場長の言葉には、二つの内容が混ざっていました。
一つ目は、「自分への電話は、もう少し長く鳴らしてほしい」という要望です。
これは、次回の対応に生かせる有益な情報です。
二つ目は、「短く切る営業は失格だ」という評価です。
こちらは、その方個人の価値観による判断です。私の営業能力全体を決める客観的な事実ではありません。
この二つを一緒に受け止めると、必要以上に落ち込んでしまいます。
しかし、分けて考えると整理できます。
要望は次の行動に反映する。人格や能力への一方的な評価は、そのまま自分の価値にしない。
今回なら、「この工場長へ電話するときは、少し長めに鳴らす」という情報だけ持ち帰れば十分です。
「自分は営業として失格なのか」とまで悩む必要はありません。
営業はカメレオン。ただし、自分まで消さなくていい
営業には、カメレオンのような柔軟さが必要だと思います。
カメレオンが周囲の環境に合わせて色を変えるように、相手の価値観や仕事の進め方に合わせて、自分の対応を調整する力です。
ただし、これは「自分の意見を持たない」という意味ではありません。
何でも相手の言うとおりにして、自分の気持ちを押し殺すことでもありません。
自分なりの考えを持ちながら、相手に伝わりやすい方法を選ぶ。
相手の好みを尊重しながら、自分が必要以上に消耗しない距離を保つ。
このバランスが大切です。
今回の電話なら、次のように短く返せばよいと思います。
「承知しました。次回から少し長めに鳴らします」
そのうえで、顧客メモなどに「電話は長めのコールを希望」と残しておきます。
次回から対応を変えれば、工場長にとっては「自分の話を覚えている営業」になります。
理不尽に感じた一言も、使える情報だけを取り出せば、関係づくりに生かすことができます。
お客様ごとの「取扱説明書」をつくる
営業ストレスを減らすためにおすすめしたいのが、お客様ごとの好みを記録することです。
頭の中だけで覚えていると、担当するお客様が増えたときに混乱します。
たとえば、次のような内容です。
- 電話・メール・チャットのうち、どれを好むか
- 電話しやすい時間帯
- 報告は細かいほうがよいか、結論だけでよいか
- 見積書で重視する項目
- 訪問前の連絡が必要か
- 急ぎの場合、誰へ連絡すればよいか
こうした情報は、お客様ごとの「取扱説明書」のようなものです。
同じ会社の中でも、担当者が変われば好みは変わります。
会社単位ではなく、人単位で記録することが重要です。
ただし、悪口や感情を書き残すのではありません。
「細かい人」「面倒な人」ではなく、「進捗をこまめに報告すると安心される」のように、次の行動へつながる言葉で記録します。
そうすれば、イライラした記憶ではなく、仕事に使える情報として残せます。
営業ストレスを軽くする3つの考え方
今回の経験から、理不尽に感じる言葉を受けたときは、次の3段階で整理するとよいと感じました。
1.事実と評価を分ける
事実は、「7〜8回で電話を切った」ということです。
「営業として失格」は、相手の評価です。
この二つを混ぜないだけでも、必要以上に落ち込まずに済みます。
2.次回に使える情報だけを拾う
今回得られた情報は、「この方は長めのコールを好む」ということです。
相手の言い方に腹が立ったとしても、使える情報だけを拾えば、その経験は無駄になりません。
3.全員に好かれようとしない
お客様全員の価値観に、完全に合わせることはできません。
ある人に褒められた対応が、別の人には注意されることもあります。
一人の言葉だけで、自分の営業すべてを否定しないことです。
改善すべきところは改善する。しかし、相手の主観まで背負い込まない。
この線引きが、営業を長く続けるうえで必要だと思います。
「AかBか」を決めなくてもいい
営業をしていると、「Aが正しい」と言う人と、「Bが正しい」と言う人の間に立つことがあります。
そんなとき、どちらが本当の正解なのかを決めようとすると、疲れてしまいます。
しかし、そもそもAかBかを一つに決める必要がない場合もあります。
工場長にはAの対応をする。
別のお客様にはBの対応をする。
それでよいのです。
営業は立場が弱いから、何でも我慢しなければならないわけではありません。
相手の希望を尊重することと、相手の言葉をすべて正しいと思い込むことは別です。
相手に合わせる柔軟さを持ちながら、自分の中には判断の軸を残しておく。
その感覚を持てると、営業のストレスは少し軽くなります。
まとめ|相手の正義を知り、必要な部分だけ対応する
今回は、電話のコール回数をきっかけに、営業としての姿勢まで注意された話でした。
正直、今でも「そこまで言わなくてもよいのでは」と思っています(笑)。
しかし、この出来事から、お客様の好みを一つ知ることができました。
工場長にとっては、長くコールすることが営業の誠意。
別のお客様にとっては、早めに切ることが気遣い。
正義は人の数だけあります。
だから営業は、一つの正解を全員に当てはめるのではなく、相手ごとに対応を調整する必要があります。
ただし、相手の要望は受け止めても、一方的な人格評価まで背負う必要はありません。
事実と評価を分ける。
次回に使える情報だけを拾う。
お客様ごとの好みを記録する。
そして、全員に好かれようとしない。
もし今、お客様によって言うことが違い、振り回されている営業社員がいたら、覚えておいてください。
AかBかを決めなくてもいい。Aを求める人にはA、Bを求める人にはBで対応すればいい。
この記事が、悩める営業社員のストレスを少しでも軽くできれば幸いです。
それでは、また今度!だんだんな!



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